2011年01月31日

★★★★☆ バベル/多くの問題をはらんだ世界の「希望」とは

スマイルBEST バベル スタンダード・エディション [DVD] / ブラッド・ピット, ケイト・ブランシェット, ガエル・ガルシア・ベルナル, 役所広司, 菊地凛子 (出演); アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ (監督)





どこもかしこも大変な事はある
でもみんな未来へと生きている
悲しみも、後悔も、逆らえない運命全て受け止めて
「悪い人間じゃない。愚かな事をしただけだ。」と


サザエさんをワンセグケータイで見てる家族の隣で見るにはあまりにも痛切な人間ドラマでした。アカデミー賞で話題になった時、個人的にはそれどころじゃない、っていうか、のんきな世間の流れに殺気立っていた頃でもあり、たぶん今思い出してもその時見ていたら絶対動揺していた映画だったと思う。逆に言えばそれだけ核心を突いていたって事でむかっ(怒り)。それから時が過ぎて、私の状況も若干穏やかになっており、偶然スカパーでやっていた本作が目に付いて思いがけず最後まで見てしまいました。

ブラピが出てて菊池凛子さんがアカデミー賞ノミネート、いくつかのエピソードが交差する、その程度の知識しかなく、あまり興味をそそるようなものでもなかったので、今回のようにたまたま見る機会がなかったらずっと見なかったと思いますたらーっ(汗)。なので、つけっぱなしにして家事していた最初の数分くらいはスルーしておりました。菊池さんと役所さんが出る日本のシーンになってから、ちょっと気になり始めそこからぐいぐいと引き込まれる予想がつかない展開!

モロッコでの二組の物語と日本とメキシコとそれぞれの物語の中であるキーワードがある瞬間に繋がり、そこで初めて全体的な物語が完成する。私は途中から「これは子供がテーマの映画」だなぁと思って見ておりましたが、本編終了後、エンドロールの直前に監督の「我が子へ・・・」云々の文字が出た時は、頭の中に「ビンゴ!」の文字が浮かび上がりました。
それにしてもタイトルの「バベル」という言葉の意味を紐解く、というにはいささか強引、というか、自分と同じ人間を描いといてそれはないんじゃないか、という少し残念な意味が過ぎたので★4つ。(その「旧約聖書」の印象が一人歩きして評価を損しているのも結構あるんではないかと思う。特に宗教に馴染みが薄い日本にしてみれば)

いろんなところでいろんな課題を散りばめており、それぞれ思い出すのはちょっと難しいですが思い出せるところだけでも

・一人の不運に対して全体の忍耐を強制する事
・土着意識をもつまでになった不法滞在
・子供の過ちと社会情勢からくる偏った憶測
・リスクを持って生きるものの葛藤に対する受け皿

詳しく書くとネタバレになりそうなのでこれ以上は書けませんが、それらが非常にすばらしく膨らんで、更なるキーアイテムもふんだんに盛り込み、そこから派生するいろんな問題を包括していると感じました。ただそのキーアイテムがあまりにも刺激的な為伝わりにくくなっているのもあるかなぁとも思います。例えば菊池凛子さん演じる高校生のある種の葛藤を「裸」で表現していたり、現実的でない「銃」という武器が簡単に行き交いしていたり、それが現実的な地域があるのがまたリアルなんですが、話が膨らみすぎて細部まで想像力を及ばすには相当エネルギーを使うかなぁあせあせ(飛び散る汗)と思います。
(私的にはこのところ気になるペドロ・アルモドバル監督作品で印象付けたガエル・ガルシア・ベルナムが出てるだけで何かあるんじゃないかとミーハー心揺れるハートに火をつけられたりして、ちょっと集中できなくなったり。今思えばこのキャスティングでなくても・・・と思ったり。でもメキシコエピソードの華にはなったかな。とか余計な事をいちいち考える訳です。)

ただせっかく世界の中の日本として取り上げられているのだから、それだけをフォーカスするとして、様々な角度から問題提起している部分を謙虚に受け止めてみたい。
(でもよくよく考えるとその他の国も状況が解らないながら、勝手に印象付けられる部分もあり、逆にそういう風に見られるのかと思うと多少違和感を感じるものもない訳でもない)
・平和過ぎ・経済成長の果て・閉鎖的社会性
とか外国人の立場から言いたいのかなぁ。
でも全て繋がっているからこそ何かに責任を特定したい訳ではなく(できない)、全て容認するとしてじゃあ何が希望か、と言ったらやっぱり「子供」の存在になる、という事ではないかなと。
そんな事をたくさんたくさん考えながらちっ(怒った顔)エンドロールを眺めようとしていたところ、突然サザエさんにチャンネルを変えられてしまいまして、「お母さんには映画を見る自由もないのか!!」と逆切れしたら「お腹すいた」と言われ、またここでも我が子の為ならと、サザエさんのエンディングテーマに摩り替わってしまったテレビの音をBGMに、キッチンに立ったりする現実でした。。。








バベル-オリジナル・サウンドトラック [Soundtrack] / グスタボ・サンタオラージャ, 坂本龍一, ノーテック・コレクティヴ (演奏) (CD - 2007)
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posted by Guckmov at 00:22| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画鑑賞−LOVE&DRAMA | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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